ストークの会(テーマ:サシバとコウノトリの飛翔特性)を開催しました
今回は、「サシバの飛翔特性について」と題して徳島大学の兒玉さんに、「コウノトリの飛翔特性について」と題して徳島大学の高谷さんに、それぞれお話していただきました。
サシバは、夏に朝鮮半島や日本で繁殖する夏鳥で、秋には東南アジアや南西諸島で越冬するそうです。
繁殖は、里山や谷津田と言われる谷間にある田んぼの周辺を利用するそうですが、最近では里山や谷津田の耕作放棄地が増え、繁殖に適した環境が減ってきているそう。
鳴門は、春と秋の渡りをする際の重要なルートになっていて、鳴門山では3000羽ほど観察されたこともあるそうです。
上昇気流をとらえて、 低いところから上空へ舞い上がっていく様子は圧巻だそう。
長年、鳥を観察している参加者からは、淡路島に風力発電所ができてから、飛行ルートが変わったように思うというコメントもありました。
鳥やコウモリが、風力発電のプロペラへ衝突する事故が全国で発生していて、どう防ぐことができるかが課題になってきています。
今回の研究では、鳥がどの高さを飛行しているかを明らかにすることで、風力発電設置の計画時に配慮できるのではないかということで、全国の渡りの観察ポイントでサシバが飛ぶ高度を調査し、分析しているそうです。
コウノトリは、親鳥と巣立ち後の幼鳥、侵入個体が、それぞれ巣と餌場、餌場と餌場間の移動や、追い払い行動時に、どのようなルートや高度で飛んでいるかを調べることで、電線や車等の人工物への衝突を防ぐことができるかを検討しているそうです。
親鳥は行きつけの餌場があるようで、同じ場所をよく利用しているそうです。
そのため、どこに餌を捕りに行くか迷いながらではなく、そこへ行くと決めて直線で飛んでいるそう。
侵入個体の追い払いの際は、ぐるぐると追いかけたり、遠くへ追い払うように飛んだりと、飛び方が複雑なようです。
どちらも詳細な分析はこれからだそうですが、鳥たちが安全に暮らせるような環境整備に向けて、研究結果を活かしていきたいですね。