認定NPO法人とくしまコウノトリ基金

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おせちの定番「鳴門のレンコン」

お正月の味覚「おせち料理」に欠かせない食材の一つと言えば、レンコン。実の中を大きな通気口が通り、その穴から先が見通せるとして、縁起が良いことで昔から重宝されてきました。そんなレンコンの一大生産地として知られる鳴門市では、師走の最盛期を迎えています。

△収穫したばかりのレンコンを手にする齋藤倫子さん。

●稲田からレンコン田へ

レンコンの収穫風景を見させてもらおうと、鳴門市大津町の農家・齋藤倫子さん(77才)の畑(レンコン田)を訪ねました。現在、3町5反(約3.5ヘクタール)にも及ぶ畑を、ご主人の政明さんと、4代目で息子さんの繁明さんの家族3人で耕作しています。

△土堀や運搬などの耕作機械も自在に乗りこなします。

「備中種が主(おも)やね。手掘りやけんチカラがいるけんど、キズつけんように加減して掘り出しとるんでよ」と倫子さん。齋藤さんの畑で収穫されたレンコンは、色白で艶があり、料理の仕方次第で、シャキシャキやホクホク、モチモチなど、いろいろな食感が楽しめると評判の逸品。水洗いして泥を落としたレンコンを、5㎏ずつていねいに箱詰めして出荷しています。

そんな齋藤さんの畑ですが、倫子さんが関西から26才で嫁いできた51年前にはレンコンは一部で、ほとんどは稲作の田んぼだったといいます。「うち(齋藤さんのレンコン田)辺りの土壌は、粘土質が高くて水はけが良くないんで、お米の生産には余り向いてなかったんよ。ほんで、この土地にあったレンコンに換えてきたんです」(倫子さん)。

△表土削ったあとは、重労働の手掘りによる収穫が行われます。

●苦労を乗り越えた先の美味

農薬をほとんど使用しないレンコン田では、害虫や雑草の駆除など、さまざまな苦労も少なくありません。当初は、葉が縮み、レンコンの節が黒く変色してしまうこともあったそうです。そんな時には、県の農業支援センターなどから農業普及指導を受けるなどして問題を克服し、生産を軌道に乗せてきました。

△齋藤さんがレンコン田で捕まえたドジョウ。

自然環境に近い齋藤さんのレンコン田では、メダカやカエル、ドジョウが普通に泳ぎ、時にはウナギやスッポンを目にすることもあるといいます。そうして2015年2月に、コウノトリが最初に舞い降りたのも齋藤さんのレンコン田でした。コウノトリに選ばれる、さまざまな条件が揃っていたのに違いありません。

△鳴門市とその周辺では、今年10月に1日最大で31羽のコウノトリ が確認されている。

齋藤さんの畑をはじめ、コウノトリに選ばれた徳島のレンコン田。そこで生産出荷されるレンコンの品質は今年も上々とのこと。縁起の良い令和2年の幕開けを彩る、ふるさと徳島の味覚を多くのみなさんに楽しんでいただきたいと思います。

△「頑張って、おいしいレンコンを作りよるけん、たくさん食べてよ」と齋藤倫子さん。

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